静岡市葵区 Ko邸
静岡市郊外の緑豊かな環境に
コンパクトでありつつ、大らかな空間をもつ住まい
300㎡ちかい伸び伸びとした広さの角地。ゆるやかにカーブする前面道路は、北側からアプローチすると、この住まいが真正面に見えることになります。町の景色の中で、ある意味モニュメンタルな建物となりうるロケーションを少し意識し、視線をしなやかに受け止める曲面壁を角地のコーナーに配しました。
曲面壁に添う階段、曲面壁は節あり桧の板張り
掘りごたつのある広間は天井高さ5.3m。
半径3640ミリの外壁に添う階段は、傾斜も緩やか、しかも視覚的にもいやし効果のある桧の羽目板張り。昇り降りが嬉しくなるような昇降装置に仕上がりました。
家族の集う広間は、西隣りの和室とも東隣りの厨房ともつながり、さらに2階まで吹き抜けとなり、小住宅でありながら、意外なほどの大らかな室内を構成することができました。
静岡市葵区 Ko邸
(工事中・模型写真)
前面道路の北側からの眺め
「アイ・ストップ」たることを、少し意識する
前面道路の、中心市街地と逆方向からアプローチすると、このような光景が目に入ります。T字路の角に接する建物の角をゆるやかにカーブさせ「おおらかなアイストップ」たることを意識しています。
1/50 外観模型
ゆったりとした外部空間、東側外観
南東側に広い庭を確保しています。模型には入っていませんが、建て替え前の樹木の主要な部分を温存し、配置は少し変更していますが、「記憶の保存」が成立しています。
静岡市葵区 Ka邸
銅板屋根のトップに
頂部にステンレス製の「Soleil et Luna(太陽と月)」の風見鶏。
外壁が打ち放しコンクリート、屋根を支える2本の柱が鉄骨、屋根下地が木造という混構造のカフェ&ギャラリーとして誕生。現在はオーナーの本業である高級ファッション販売会社の営業拠点に用途が変わっています。
築18年ですが、屋根の銅板が青緑色の美しい酸化被膜(いわゆる緑青)に覆われて、味わい深くなっています。
設計コンペ入賞のガラステーブル
「第2回安全ガラスセーフティコンペ」で受賞。
センターテーブルは、厚さ12ミリのガラスの一方の端を1/4円形に加工し強化ガラスとし、同型のものを、スリットを挟んで2枚向かい合わせて並べることで、南側が半円形、北側が長方形の大型テーブルとしています。
ガラスを支える下部構造は、朱色のアーチ状の鋼管から枝を伸ばす形で構成されています。
Cafe & Gallery Sympathique
強化ガラスの大テーブル
橋梁のアーチのような構造体でガラスを支持します
鉄骨の円柱を強化ガラスが囲い込むあたりが、このテーブルの真骨頂といえます。
One Point
屋根を葺いた板金職の北村栄康氏からのプレゼント.
銅板でつくったアブラゼミ
Cafe & Gallery Sympathique
玄関扉の銘版 真鍮製
Sympathiqueとは、共感、同感、同意、同情という意味です
化粧室内部
ガラスカウンター+ガラスボウルの組合わせ。鏡は凹面鏡付き。