静岡産地振興ダイナミクス事業
六本木AXISギャラリーにて、東京展 Feb.20-23,1996
3人の建築家と地元家具メーカーのコラボレーション
「展覧会パンフレットからの抜粋」
静雄k市では地元の産業界を対象に、複合的業種による共同開発を通じ、新製品・新市場開拓の可能性を探るため「産地振興ダイナミクス事業」に取り組み、今回で8年目を迎えました。昨年の竹製品に続き、本年度は家具製品関連業界をターゲットとし国内の著名デザイナー(建築家)3者の協力を得て「和」をテーマとした家具の新商品開発に挑戦したものです。 (引用終わり)
招聘された建築家は、東京の大江匡、鎌倉の吉田豊、そして静岡の栗田仁の3名。
大江は富士木工㈱、㈱園田椅子製作所と、吉田は㈱杉山吉蔵商店、(有)市川木工と、栗田は(有)牧野工匠、㈱久和屋とそれぞれ組んで、商品開発に取り組みました。
上の写真は、栗田仁の薬箪笥にヒントを得たNinjasシリーズ。抽斗のつまみが、普段は隠れています。 <制作 (有)牧野工匠>
古民家の箱階段に触発されたシステム収納家具
Hanamizukiシリーズ
コンセプトはNinjaシリーズと共通なものとして、抽斗や扉の引き手、取っ手、つまみの類がふだんは見えていないということです。
左右の足を指定することで急勾配の角度で安全に昇降できる形態の今日風の階段の造形と伝統の箱階段の融合をはかっています。表面は小さな扉の集合体に見えますが、実際は2枚分で一つの収納部、4枚分で一つの収納部といったものを含み、それらが総合的に組み合わさっています。 <制作 ㈱久和屋>
JR静岡駅前 交通安全塔
1989年から2007年まで、JR静岡駅前にありました。
設計コンペで選ばれました。
JR静岡駅前は、旧国道1号線と御幸通りが交差し、さらにもう1本、御幸通りと平行な紺屋町の通りが分岐するという「π」型の道路となっています。その中央に交通広場があり、そこに、交通安全をアピールするための塔を建てるというプロジェクトでした。
建築家協会(静岡会)による設計コンペが実施され、栗田仁の案が選ばれました。高さ13m。頂部の球体は直径3mです。
球体部も丸パイプによる3角柱もすべてステンレス製。基壇の3角形部分は御影石貼りとしています。
駅前の新整備計画に伴い、現在は静岡市葵区井川の山間地に移設されています。
ライトアップで輝く先端
トップはステンレス製の「メロ・トラス」、直径は3mです。
球体を支える下部は、三角柱の形状をなし、3方向からの車の運転手に正対し、交通安全を.訴える標語の文字(板)をとりつけるようになっています。
ただし、夜間は頂部の球体を集中的にライトアップすることで、駅前のモニュメントとしての存在感を増しています。